金曜に新宿のロフトプラスワンで行われたサムライTVのキックボクシング番組「キックの星」のトークショーに行ってきました。
 ちょっと遅刻だったんですが、偶然にも新宿駅の東口でフルコンタクトKARATEの高村さん(前回ブログに続きまたも登場!)と出会い、「アルタ前で須藤(信充)選手と高橋(直人)会長と待ち合わせしてるんですよ」ということで、本日のイベントのゲスト両名と合流。歌舞伎町を歩いている最中も須藤選手はあのハイテンションでしたよ。
 会場につくと満席。ちょうど高杉茂男さんのビデオ上映中。楽屋をのぞいたら、我龍真吾選手と須藤選手が、番組はもちろんトークショーでも披露できないようなお話で盛り上がってました。番組のコーナー「須藤通信」用にビデオを回していたけど、いったいどれだけ使えるんだろう…? アシスタントの片岡未来ちゃんが中休みで楽屋に戻ってくると、須藤選手は完全にキャバクラ気分になってて、そこは放送されるかな。
 約3時間半のイベントの内容は今度木曜夜10時のオンエアから順次流されるそうなのでそちらをチェックしていただいたのですが、両選手はもちろん、客席でクダを巻く各団体チャンピオンクラスのルチャ覆面軍団も楽しかったです。
 でもまあ、一番の衝撃は、未来ちゃんの披露した特技でしょうかねぇ。あの暗闇の雰囲気も相まって、見世物小屋でトンデモないものを見てしまったような気分でした。
 ご招待していただいた比留間ディレクター、AD鈴木君をはじめ、サムライTVの皆さん、ありがとうございました。

2006-05-21 10:20 この記事だけ表示

 ちょっと前の話題になりますが、MAキックで「プロが撮った昨年の写真を一般公開し、No.1を投票で決める」という新企画「ベストショットアワード」が行われ、僕が2位(優秀賞)を獲得し、4/29後楽園大会で表彰されました。投票して下さったみなさま、誠にありがとうございました。
 僕が応募したのは、11月の後楽園大会のフライ級タイトルマッチ、森田晃允 vs. 小暮正祥での、森田選手が右フックを当てたシーンです。誌面でも使いました。上の写真のとおり、4/29の大会のパンフの裏表紙にも掲載されました。
 1位(大賞)は「フルコンタクトKARATE」の高村裕さんの撮った、6月後楽園大会の木村允 vs. 吉本光志での、木村選手の左ハイキックの写真でした。
 投票は3月大会で行われ、大会パンフレットに全応募作品が掲載されました。6月と8月の後楽園2大会のペアチケットが10名にプレゼントされるだけあり、応募状況も良かったようです。
 高村さんは228票、僕は198票。僕はあと一歩でしたが、やはりクリーンヒットの場面じゃなかったのが敗因でしょう。今年は打倒フルコンで頑張ります(笑)

 表彰式は大会の休憩明けに行われ、恥ずかしながら森田選手本人からトロフィーを頂きました。
 森田選手は去年のMAキックのMVPでありベストバウト賞の受賞者でもあります。その森田選手が因縁のある小暮選手をKOし、初めてベルトを獲った試合の写真が賞になったのですから、本人もとても喜んででくださってて、僕もさらにうれしくなりました。フィニッシュも写真と同じ右フックなので、去年のMAを象徴する1枚だったと自画自賛したりして。
 いろんなジムに取材に行くと、僕がバウレビやゴン格に書いた記事が貼ってあるのをたまに見かけます。そういうのを見ると、「ああ、この仕事やってて良かった」と報われる気持ちになります。
 ライターやカメラマンや編集者は所詮裏方で、あんまり儲かってはいけない職業だとは思いますが、こうやって純粋に内容が讃えられることなんて滅多に無いので、とても励みになります。MAキックのみなさんには大変感謝しています。

 余談ですが僕は撮影の時、この赤いシャツのように色の濃いシャツを着ることが多いのですが何故だと思いますか? まあ、単純にこういうシャツが好きというのもあるんですが、撮影中に血が降りかかることが多いのが一番の理由です。
 カメラマンって、実はレフェリーの次に試合を至近距離で観られる場所にいるんですよね。記者よりも近い距離で、ジャッジとセコンドと団体役員と同じ距離なんですが、ズームレンズを使うから、見える距離はレフェリーともさほど差がありません。なので実はライターの仕事をやる上でも勉強になることが多いのです。
 あと、高村さんは表彰式だからってことでジャケットを着て来てました。いつもは僕と似たような格好なんですけどね。それにしても二人とも痩せてるなぁ。別にいい写真を撮るのに体格は関係ないのですが。

(※表彰式の写真は、MAのオフィシャルカメラマンでバウレビでも撮ってくださっている米山真一さんと、某誌のカメラマンさんに撮っていただきました。ありがとうございます)

2006-05-14 13:30 この記事だけ表示

 先週の話になりますが、渋谷の「UPLINK X」という小さな映画館で、「トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男」というドキュメンタリーを観ました(劇場と映画の紹介ページはこちら。写真はHPから拝借)

 ダウドは50〜70年代に多重録音等の当時としては先駆的な技術を数々編み出したスタジオエンジニア。エリック・クラプトン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ジョン・コルトレーン等、その手がけた音楽家の名前を並べただけでも凄さが伝わるかもしれません。山下達郎も映画のチラシの推薦文で「私は、知らぬ間に聴覚的審美眼の基準値をトム・ダウドから学んでいたわけで、それが後のミュージシャン人生にどれほど役立ったか知れません」と最大限の賛辞を贈っています。

 その文章に出てきた表現の中で印象的だったのは「文理両道のスーパーマン、トム・ダウド」という部分。ダウドは大学生だった第二次世界大戦中、核物理学者として広島・長崎の原爆の開発に関わったのですが、その研究が大学で学ぶことの5年先を行ってしまったため、戦後は復学せず、好きだった音楽の道に進んだのです。そこで活きたのが理系の頭脳。当時の先端技術を次々レコーディングに取り入れ、他のレコード会社よりも格段に良い音の名作を連発していきます。

 だけど彼が本当に素晴らしいのは、新しい技術にミュージシャンを無理矢理合わせようとはせず、技術をミュージシャンが作りたい音を作るための『手段』として活かしたこと。かといって完全な引き立て役や裏方にクールに徹したわけじゃなく、時には音楽家に適切なアドバイスを送ったり、クラプトンとデュアン・オールマンの運命的な出会いをセッティングしたりと、これまで接点の無かったものの『核融合』も数々実現させました。

 父はコンサートマスター、母はオペラ歌手で、その豊かな感性が自然と技術の中にしみこんでいたのでしょう。『文理両道のスーパーマン』とはうまく言ったものです。理系崩れの僕も“スーパー”マンまではなれなくても、文理両道ぐらいは心がけて、この『武』の世界に活かせればと感じさせられました。

 ところでこの作品、通常の一般1500円、学生1200円、シニア1000円の料金以外に、音楽系専門学校生が学生証を持参すれば1000円、宅録割引1200円、ブログのトラックバック割引1200円といった面白い割引制度を設けています。宅録割引は自宅の録音機材のマニュアルか、機材のケータイで撮った写真を受付で見せればOKとのこと。こういう割引制度の発想が出て来るのも、トム・ダウドの映画ならではでしょうけど、格闘技の興行でもトラバの割引はできますし、グローブや道衣の帯を持って行けば割引とかってのも面白いかもしれません。

2006-04-28 12:55 この記事だけ表示

 先週行ったMAキック4/29ディファ大会のチケットプレゼントには、多数の応募がありました。ご応募いただいたみなさん、誠にありがとうございました。
 月曜朝に発送しましたので、遅くとも木曜までには、当選した方の元に届いているかと思います。ハズれた方も、ぜひディファ大会に訪れ、白須×水町、駿太×奥山のWタイトルマッチ等の激闘を楽しんでいただけたらと思います。

 ところで、プレゼント応募の際、みなさんに「好きな格闘家の名前3名」を記入していただくのですが、その欄の顔ぶれが多種多様で、「みんなよくキックを見てるなぁ。しかもいい趣味してる!」と関心させられます。
 一番人気は写真の国崇選手でした。
 意外かもしれませんが、もちろん組織票のようなものではありません。かといって、国崇選手だけがズバ抜けて票数が多かったわけでもなく、小林聡選手との僅差で1位。それよりちょっと少ない票数で、武田幸三選手、山本元気選手、魔裟斗選手、サトルヴァシコバ選手、大月晴明選手が人気でした。
 総合では佐藤ルミナ選手、ノゲイラ選手が多く得票していました。キックのチケットのプレゼントなので、比率はキック:総合=2:1ぐらいでしょうか。MAの選手では壮泰選手が一番でした。

 この応募内容が読者の最大公約数では無いとは思いますが、近似値は捉えているんじゃないかと思います。他のプレゼントでも傾向として今回と似た部分もあります。
 どういう選手をバウレビでフューチャーすべきか、どういう話題を掘り下げるべきか、今後の誌面作りにも活かせればと思います。

2006-04-21 10:41 この記事だけ表示

“足関十段”今成正和選手がブログを休止しました。ハマってたmixiも辞めたとのこと。
2日のPRIDE武士道の直前に倒れ入院し、今は退院しましたが、そのことが生活を見つめ直すきっかけになったようです。

4月13日の最後のメッセージには、「また日記をはじめるかも」と書かれていましたが、ブログは既に閉鎖しています。ですが最後のメッセージは、彼の格闘技に賭ける気持ちが端的に現れた興味深い内容でしたので、誠に勝手ながら、資料として残すため、全文をそのまま転載させていただきます。

お詫び

遅くなってしまいましたが、PRIDE武士道 体調不良のため欠場してしまいました。ファンの皆様、パルバー選手、関係者の方々 本当にすいませんでした。

勝手ながらこの日記をやめます。理由は自分はプロ格闘家なので練習をして試合に出るのが仕事です。今回試合に出れなかった=仕事出来てない。で、インターネットやるのやめます。刺激が多すぎる。体に悪い=不健康=試合出来ない=意味ない。インターネットが全ての原因ではないけど少なからずあると思います。勝手な理由かもしれませんが、自分が強くなるために決めた事です。あたたかいコメントたくさんいただいて、嬉しかったです。ありがとうございました。余裕のある男になったらまた日記をはじめるかもしれません。その時はよろしくお願いします。

ブログは1年前ぐらいから一気に普及し、ばうれび海賊版もそのうちの一つですが、多くの格闘家や業界関係者がやっています。
始めたはいいものの飽きてあまり更新しなくなくなり、開店休業状態のブログもあります。
ですが、大卒→警官で閉鎖した青木真也選手の特例を除き、自ら明確に休止を表明し、休みに入った選手は、おそらくメジャーな選手では今成選手が初めてではないかと思います。

今成ファンの知人が残念がってましたが、「何かを得るためには何かを捨てなくてはいけないのは世の常」と理解し納得していました。
足関だけじゃなく腕関も得意な今成選手ですが、それでも“足関十段”のニックネームがキングダム時代からPRIDE時代の今も変わらないのは、その4文字の印象強さもさることながら、職人肌な性格にピッタリなことが大きいと思います。
職人・達人の道を極めるため、時には大胆に何かを捨てる。
無為の境地、って言い方もありますが、そこにまた一歩、今成選手は近づいたのかもしれません。
既にDEEPやJ-NETの会場には出没しているとのこと。復帰戦が待ち遠しいです。

2006-04-17 18:41 この記事だけ表示

雨が続きますね。

昨日は原稿書きで一日中編集部。一昨日は夕方から全日本キックのAJジムで公開練習の取材をし、そのまま大久保から中央線に乗って水道橋に向かい、DEEP後楽園ホール大会を取材しました。
会場に入ったら、マニア注目の未知の強豪・ヴィラセニョールが青コーナーの花道から退場するところとすれ違い。試合が見たかっただけに惜しい!

AJジムでは今度の日曜昼の新宿FACE大会「CUB♀KICK'S」に出場するWINDY智美選手(中央)と、来週金曜の後楽園大会に出場する山内裕太郎選手(左)と湟川満正選手(右)の話を聞きました。
(写真は山内選手が目をつぶって、誌面ではボツになったものです。まさに海賊版)

内容はリンク先の記事を見ていただきたいのですが、どちらの記事も、特にWINDY選手の記事の方は、普段の記事よりも練って書きましたね。

女子キック大会がいろいろあるけど、このCUB♀KICK'Sのアイデンティティって何になるんだろう?一過性のもので終わらないためには何が必要なんだろう?ってことを考えながら書いた結果、「小林聡」というキック界を代表する選手の名前が思い浮かび、うまく考えがまとまった感じです。
後楽園に出る山内選手と湟川選手に関しても、もっと多くの人に見て欲しいなあと思い、あれこれ考えながら書きました。

毎日会見や公開練習が多くて(今日は2件です)、右から左に情報を流すだけになりがちなんですが、最近は以前に増して「それはよくないな」と感じるようになりました。
井田編集長がオールアバウトで「誰が格闘技を殺すのか」という特集を始めましたが、マスコミの流す情報の質が落ちて、“動脈硬化”が死因になることだって…。

まあ、この辺の話は長くなりそうなので、書ける時があればまた。
全日本キックの後楽園大会のチケットはイープラスさんでも販売中です。

2006-04-13 10:30 この記事だけ表示

 既に1週間前の話題になるが、2日のPRIDE武士道で、初参戦ながら意外に多くの歓声を浴びていたのが、修斗ウェルター級環太平洋王者の石田光洋選手だった。
 同じ初参戦でも、典型的なイケメン系の池本誠知選手よりも、髪型が派手なアライケンジ選手よりも、人気は石田選手。PRIDEでも川尻選手のセコンドとして認知されていたのもあるのだろうが、武士道クラスの大会となると、ちょうど修斗の代々木第2大会クラスの大会に足を運ぶファン層ともかなりダブるのだろう。
 だが石田選手を初めて見た観客も、弾丸タックルでテイクダウンに成功し、電光石火のギロチンを決めた姿を見ただけで、その実力の高さを認知したようだ。池本選手の試合が膠着試合になってしまったので、沈滞ムードを吹き飛ばす勝ち方だったのも良かった。

 そして何よりも良かったのがマイクアピール。「はじめまして!修斗環太平洋王者の石田光洋です!」。同じスポーツ選手でも、格闘家というより春のセンバツ高校野球の球児のような、さわやかな第一声と笑顔で、自然と観客は和み癒される。「強い外国人をぶっ潰していきます」という格闘家らしいアピールにも、殺気だったものが感じられない。
 眉毛くっきり、キラキラした瞳。出場発表会見で高田本部長は「男前」と表現していた。確かに顔は整っているのだが、何か普通に言うところの「男前」とはちょっと違う気がする。武士道から1週間、忙しい取材の合間、時折「この石田の不思議な魅力は何だろう?」と思っていたのだが、やっと今朝理由がわかった。

 真央ちゃんだ。全く畑違いだし性別も年齢も違うけど、石田選手の顔って、フィギュアスケートの浅田真央選手に似てないか? 今朝の日刊スポーツに、真央ちゃんの高校入学式のブレザー姿が載ってたけど、この爽やかさは石田選手に近い気がする。中学校まではセーラー服だった真央ちゃんは「ネクタイが結べないので、お父さんにやってもらいました」という。この話を聞いて、なぜか川尻選手に環太平洋ベルトを巻いてもらっている石田選手の姿がダブったのだった。

2006-04-08 15:31 この記事だけ表示


きのうのテレ朝「報道ステーション」、野球の世界一を決める国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で優勝した王ジャパンの成田凱旋帰国の模様を報じていました。
すると突然、「こんなところにもWBC優勝の波及効果が…」みたいなノリで、ボクシングのWBC(こっちはワールド・ボクシング・カウンシル)の女子ストロー級王者・菊地奈々子選手が屋外でシャドーボクシングをしている映像が。
やや強引な繋げ方でしたが、固定した練習場所の無い彼女にもWBC効果で注目が集まって、練習環境が良くなればいいな、といった伝え方でした。
本来なら土曜に防衛戦をやるWBCバンタム級王者の長谷川穂積選手を取り上げるのが旬なんでしょうけど、この試合は日テレで放映される関係上、日本初の女子WBC王者としてプレミア感のある菊地選手にオファーが回ってきたんでしょう。

菊地選手はまだボクシングを始める前、フリーのフォトグラファーとしてバウレビでも写真を撮ってくれてたので、今の大躍進にはビックリ。(例えばこの記事)
体もゴツくなったけど、インタビューの受け答えも堂々としてて、なんかえらくカッコよかったです。
ちなみに初防衛戦は5月上旬だそうです。

■菊地選手のホームページ
http://www.blue-sky-gym.com/kikuchi/

2006-03-23 22:30 この記事だけ表示

 3/26(日) ディファ有明で開催される「FULLCAST PRESENTS R.I.S.E. G-BAZOOKA TOURNAMENT '06」に出場する百瀬竜徳選手のインタビューを、イープラス内の「Blog“押忍”」に掲載しました。
 トーナメント2連覇に向けての意気込みから、個人的に興味のあった入場テーマのレッド・ツェッペリンの『カシミール』に関する話まで、いろいろ聞いています。ちなみに僕が入場テーマにするなら「ディジャ・メイク・ハー」か「アキレス最後の戦い」かな。対照的な曲調ですけど。
 インタビュー記事では百瀬選手のサインプレゼントも実施しているので是非チェックを!
 バウレビの記事はこちらです。
 チケットは残り僅か。まだ買ってない人は、月曜朝10時から当日引換分がイープラスで販売されますのでお申し込みを。

2006-03-19 16:12 この記事だけ表示


2月21日に31歳になった途端、いろんなことが起こる。
「ゴング格闘技」“休刊”の知らせもその一つだ。

誕生日の翌朝、修斗協会のKID選手らへの処分の件をニュースにし一息ついていると、ゴン格の編集部から電話が。
昨日(21日)に“休刊”を伝えられたという話だった。23日発売号が完成した直後、お店にならぶ直前というタイミング。一昨年だったか、青山ブックセンターが突然閉鎖するという騒動があったが、何かそれを思い起こさせる唐突さだ。

厳密に言うと“休刊”というより、宮地克二編集長が辞め、現編集部も解散するという話。
母体の日本スポーツ出版社は、数ヶ月以内に別体制で新しい格闘技雑誌を発刊するつもりらしい。全く経験のない真っ白なスタッフが新規参入してくるというのではなく、ここ数年で廃刊/休刊になった格闘技雑誌の関係者が関わるのでは? 外部の編集プロダクションが作るのでは? という噂がもっぱらだ。
歴史のある「ゴング格闘技」の誌名を継ぐのか、新しいタイトルで新創刊となるのかわからないが、少なくとも、宮地さん体制で出される号としては、2月23日発売の4月号で“休刊”だったことは確かだ。

「ゴン格」という雑誌も近年は編集体制がコロコロ変わる傾向があって、3年ほど前にも外部の編プロに委託する形式を取った事がある。この時受託したのが今は白夜書房で出ている「アッパー」編集部。
ただ、その前の宮地さん体制で作られていた編集部は結束が堅く、「アッパーゴン格」に関わるスタッフは少なかった。その後、日本スポーツ出版社自体がM&Aされて経営陣が変わった影響もあって、丁度1年前にもう一度、「宮地ゴン格」が復活したという経緯がある。この時は、スポーツナビの格闘技部門のチーフだったMさんが編集部入りするという仰天人事もあって、これで当分「ゴン格」は盤石の体制で動くんだろうなと思っていたが…。



ちなみに僕も、この「宮地ゴン格」にはライターとして少し関わっていた。身分としてはバウレビ編集部の人間だが、ゴン格から協力依頼があって、キックや女子格闘技の原稿を書いていた。大会レポートやインタビューものの記名原稿から、大会観戦ナビという今後の大会の見所を紹介する無記名原稿まで。主に白黒ページの人だったが、これはウチの井田編集長もやって来た“外貨獲得”政策で、「少し外の水も飲んで修行してこい」という了承済みの“出稽古”も兼ねていた。

国内のキック系団体を網羅的に見ている記者がこの業界では少ないので、書く対象自体はニッチなものが多かった。でも、一般格闘技ファンに伝わる面白さがあり、多くの人に関心を持ってもらいたいと思ったので、あえて薄目の味付けの原稿にしていた。
雑誌では昔の記事にリンク飛ばすようなことができないので、書き方もおのずと違ってくるのだが、それでもバウレビでやっているよりも意識的に、一般的な話題を話の枕や軸に使ったり、試合に至る背景をわざわざ古い話から説明し直したり、いろいろ工夫をこらしていた。
だが他のゴン格の記事は、好き嫌いは抜きにして、豊富な前提知識を持っていないと読み始めからつまずくものが多い。一言でいえば「マニア志向」。僕の「ポピュラー志向」な書き方は自分でも浮いてる感じがしたが、それでも依頼してもらえていたことはシンプルにうれしかった。



思えばこの仕事を始めて約6年、格闘技専門誌は休刊/創刊/体制変更等いろいろあった。
さっき書いたとおり「ゴン格」が「アッパー」編集部で運営されていた頃があったし、「SRS-DX」、「Kマガジン」は休刊。「格闘伝説」は始まって終わってまた始まって…。「フルコンタクトKARATE」も表面上は粛々と刊行されていたが、実は編集部員が一新されていたり。また、「宮地ゴン格」の主力ライターが集まって「ガチ」というムックが二号ばかり連続で出されて、定期刊行になるのかなと思っていたら、ストップしてしまって…。
いわゆる“格闘技ブーム”の中、活字メディアは色々な消長が繰り返された戦国時代であったことがよくわかる。ただ“与党”「格闘技通信」だけは、編集長が変わったり若干書き手の顔ぶれが変わった程度で、外の波風の影響はあまりなかった感じがする。



でも、ホントは一番変わってないのが、ウチかもしれない。
「ネット媒体と活字を一括りにするな」と言われそうだが、バウレビの後にネットでスポナビとGBRもスタートしたことで、専門誌の売上や編集方針に及ぼした影響は少なくないはず。ただ、ネットの世界は活字メディアと違うのか、他のサイトのスタートの影響が同じ畑のバウレビにあったかというと、ほどんど無かったと思う。
当然比較されることは多く、「情報を早く伝えなきゃ」というプレッシャーも増えた。だが編集長の井田はご存知の通り(?)「ネットやから早いって誰が決めてん? よそと競争なんかすんな」みたいなユルめの人だし、僕自身「ウチの“伝えるべき事”をゆっくりでもいいからちゃんと伝えていれば、読者は信頼してついてきてくれる」という確信があった。実際、配信開始からこの春で9年になるが、あいかわらずページビュー数は少しずつとはいえ増え続けている。


じゃあ、その“伝えるべき事”って何かって?

うーん、それを書き出すと長くなりそうだし、正直、自分でもうまく考えがまとまっていないのだが、さっきゴン格の原稿のところで書いた「ポピュラー志向」という言葉が両輪のうちの一輪になっているような気がする。
「格闘技ファンならこれぐらい判ってて当然」みたいな思い込みで記事を書かないように気をつけているし、情報の重要性を僕らのサイドでなるべくジャッジしないようにしている。東京ドームの試合も後楽園の試合も、それぞれのファンにとっての重要さは公平なはずだから。

その一方、個々の試合について、バウトレビューの誌名になっている「レビュー」(批評)の部分、「自分たちの感性に忠実に批評をする」という部分を無くさないようにしている。時に偏見と受け取られても、「僕らが試合を見て感じた“興奮”や“問題点”」を忠実に伝えることは絶対譲れない。それが、もう一方の車輪になっている。



今のトップページのように、ノゲイラ選手と須藤信充選手が普通に並び、独特の光を放っているのがバウレビなんだと思うが、果たしてどれだけの読者にその光が届いているのかどうか。ただ、太陽も便所の裸電球もそんな事は考えずに、自分たちの光を粛々と放っているはず。それが9年、マイペースでやってこれた理由なのかもしれない。

2006-02-28 17:23 この記事だけ表示
 
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