なんでUFCは見ていて心地いいんだろう?[井原芳徳]
 UFCが日本のテレビ局で放送されなくなってから、早いもので1年が経った。
 ほぼ同時期にPRIDEが休止。トップ選手の多くがUFCに移籍し、間違いなく世界最高水準の総合格闘技が見られるのはPRIDEからUFCに変わったのだが、その試合が日本のテレビでは見られない。
 UFCのネット放送やDVD、あるいは違法の動画で見る人もいるだろうが、やはり少数派だろう。

 専門誌にも記事が載っているが、動く映像の迫力に勝るものは無い。
 試合経過や選手のコメントはわかる。でもその過程のディテールはレポートや写真では十分拾いきれない。
 入場からの選手やセコンドの動き、場内のアナウンスや音響、現場の観客の熱狂ぶり etc..

 UFCの持つ魅力の一つに、イベント、スポーツとしての「洗練度」がある。
 なんでUFCは見ていて心地いいんだろう? でも、専門誌の記事じゃ今ひとつ伝わってこないなあと思っていたら、ニューヨーク在住でバウレビUSAのシュウ・ヒラタさんがご自身のブログで、心地よさを生み出すシステムを明かしてくれるような記事を書いた。

 シュウさんは先日のUFCでの吉田善行選手の、現地到着から試合終了後までの「無駄のないオペレーション」と、それでいて「稼げる」システムについて、事細かに順を追って記している。

シュウの寝言  May 29th, 2008 - 取りあえず」より引用/>
プロモーターとかスポンサーが控え室にきて選手と話をする訳でもないですし、別に入場式とかはないんでリハがある訳でもないですし、ほんと、選手はきて試合をする。そしてギャラ貰って帰る、なんです。
そうです、試合後もコミッションのドクターが控え室まできてドクター・チェック。
そしてその後にギャランティと勝利賞ボーナスの小切手を二枚貰って、尿検査して、あとはもう帰っていいです、なんですよ。
だから、あれ、今日はダナ・ホワイトきてるんかいな?という感じなんです。
</引用終わり>

 日本の大小問わず各団体でも、個別の要素ではUFCと似ている部分はある。
 しかしあくまで個別でしか似ていないから、競技性とエンターテインメント&収益性の両方を、バランス良く発揮することができていない。
 UFCはその両方を実現し、その相乗効果で莫大な富と最高の競技水準を生み出している。

 何がUFCでは足りていて、何が日本の団体には足りないのだろう?
 …いや、この言い方だけじゃ足りない。
 何がUFCでは削り落とされ、何が日本の団体ではトゥー・マッチなのだろう?

 どうしても悪い状況では足し算の発想で考えがちだが、引き算の発想も大事だと思う。
 そして、UFCは何の価値観を基準に足し算、引き算をしているのかを読み解かないといけない。

 シュウさんのブログの某選手の言葉で、「もうこれは格闘技じゃなくてプロ・スポーツだ!」というのがあったが、この言葉が読み解く上の鍵になるだろう。


2008-05-31 16:37 この記事だけ表示   |  コメント 5

コメント

ビビビっと感じるものがあります!
大参考にします!!!
(2008-06-01 17:14)
、自分でもこれまで思いつきもしなかったようなフレーズでその選手を表現することで、ディレクターさんやデザイナーさんが意外なアイデアやデザインを返してきたりと、ジャムセッションのような化学反応が起こる楽しさもあります。シンガーソングライターがアイドルに詩や
(2012-04-05 16:52)
。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔でいてインパクトの残る形で紹介しないといけないので、脳味噌の中でもい
(2012-04-05 16:56)
ほとんど無いことも想定しないといけない上、文字数も限られています。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔
(2012-04-05 17:02)
する文章は、これまでばうれびでも専門誌でも山ほど書きましたSだと、格闘技を全然知らないか、普段そんなに見ない人が対象です。選手やイベントの予備知識はゼロか
(2012-04-05 17:08)

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