元NOVA講師と縁(えにし)の力[井原芳徳]
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 1/13(日)のバンゲリングベイ主催興行。新田明臣選手は15年のキックボクサー生活にピリオドを打つ試合を行ったが、ほぼ無名のヤン・カシューバ選手に判定1-2で敗れてしまった。
 流行りの表現でいえば、このカナダ人は「KY(空気が読めない)」と言われかねないが、大会パンフレットの紹介文を読むと、彼の勝利を心から祝福したくなる。
 
 その文章は、読売新聞に昨年暮れに掲載された記事の引用。彼は昨年突然閉鎖した英会話学校NOVAの講師だった。昨年1月に格闘技修行のため来日し、岡山でNOVAの講師をしながら生計を立てていたが、より良い環境で練習するため7月に東京へ。ところが8月から給料の不払いが始まり、10月末にNOVAは閉鎖。11月の最後2日は全く金が無くなり、「コメ袋に残ったコメを大事に集め、炊いて食べた。何もおかずがなかったが、それでもおいしかった」と振り返る。
 そんな彼を支えたのは講師仲間の外国人、日本人職員、そして生徒だった。顔見知りの生徒が個人レッスンを申し出、それで得た収入で食いつないだ。「被雇用者同士、被雇用者と客という関係から、最後は皆と『友達』になれた」という言葉が印象的だ。
 
 新田のキック引退興行であり、初の自主興行の大会名は「縁(えにし)」。人と人とのつながりから、何か新しいことを生み出したいという新田の思いが込められていた。この日はカシューバ選手の『友達』も多く応援に訪れたといい、奇しくも彼は「縁」の力で勝利を勝ち取ることができた。
 読売新聞の記事は「勝ち負けはわからないが、仲間の再出発を祝うために、全力で戦う」というカシューバ選手の言葉で結ばれている。彼は試合で頑張り、別の英会話学校への再就職が決まった仲間に恩返しをした。それが仲間の力になり、場合によってはまた何かの新しい縁の力を生むだろう。年初から素敵なエピソードに接する事ができてうれしかった。


2008-01-15 11:36 この記事だけ表示   |  コメント 3

コメント

、自分でもこれまで思いつきもしなかったようなフレーズでその選手を表現することで、ディレクターさんやデザイナーさんが意外なアイデアやデザインを返してきたりと、ジャムセッションのような化学反応が起こる楽しさもあります。シンガーソングライターがアイドルに詩や
(2012-04-05 16:52)
。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔でいてインパクトの残る形で紹介しないといけないので、脳味噌の中でもい
(2012-04-05 16:55)
する文章は、これまでばうれびでも専門誌でも山ほど書きましたSだと、格闘技を全然知らないか、普段そんなに見ない人が対象です。選手やイベントの予備知識はゼロか
(2012-04-05 17:06)

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