サムゴォー(涙)[井原芳徳]
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 29日の全日本キックに参戦した、元ルンピニースタジアム2階級王者のサムゴー・ギャットモンテープ。
 サムゴーといえば、僕が記者として駆け出しの頃、特に強烈な印象のあったタイ人で、「こんな化け物みたいな選手がいるんだ」とその破壊力に惚れ惚れしたものだった。上に載せた、03年2月の金沢戦のときの左ミドルの写真から、その力強さが一番伝わると思う。金沢選手は「鉄パイプみたいな蹴りだった」と振り返っているが、ほんとうにそんな蹴りだった。
 でも、その翌年の全日本ライト級最強決定トーナメントのときには減量に失敗し、優勝を逃してしまう。さらにその翌年の05年10月の新日本キックの正木和也戦では、ウェルター級に増量したが、左ミドルの迫力が半減してしまい、すっかりその威光は薄れてしまった。
 そして今回の全日本キックは、その正木戦以来の来日。本誌のニュースにも載せた、全日本キック経由でタイから届いた写真の、そのフックラした顔を見て、大丈夫かよ?と思ったが、さらに前日計量をクリアできなかったという報が。04年のライト級トーナメントの時も計量開始から規定の2時間以内に落とせなかった前科がある。
 当日リングインしたサムゴーを見ると、やはり体が弛んでいて、こりゃダメだなと思ったのだが、左ミドルは威力は落ちたものの、そこそこスピードがある。そして2Rには左ハイもあれよあれよと当たりだし、結局やや特殊な形ではあるが左ハイキックでKO勝ち。「腐ってもタイ人」とはよく言うが、それを感じさせる試合だった。NKBで以前活躍していたペッカセーム野獣というタイ人も、パンチャーではあるがサムゴー同様不思議な強さを持っているタイ人だ。ひとことでいえば「天才」タイプとでも言おうか…。減量失敗といい、試合前のビッグマウスといい、日本の天才・須藤信充のイメージと少しダブった。

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 試合後、インタビュースペースに現れたサムゴーの写真。AJジムのトレーナーのヌンサヤームさんの通訳がうまくいかず、コメントらしいコメントはほとんど拾えなかったが、カメラ目線の力の無さが、何か今のサムゴーを物語っているような気がする。せめて後ろ髪とヒゲをちゃんと切れば、もうちょっとカッコ良くなると思うんだが。

追伸:カッコよかった頃のサムゴーを見るのなら、DVD「野良犬 小林聡伝説」がオススメです。


2007-09-30 12:44 この記事だけ表示   |  コメント 5

コメント

彼は昔の彼にあらず・・ってワケでした。
サムゴーはセンティアンノーイジム所属の現役当時から知っていたので残念です。

自分の思い入れを今のサムゴーに押付けるのは彼にとって大きなお世話なんですが・・・
なかむら
(2007-10-15 10:38)
、自分でもこれまで思いつきもしなかったようなフレーズでその選手を表現することで、ディレクターさんやデザイナーさんが意外なアイデアやデザインを返してきたりと、ジャムセッションのような化学反応が起こる楽しさもあります。シンガーソングライターがアイドルに詩や
(2012-04-05 16:52)
。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔でいてインパクトの残る形で紹介しないといけないので、脳味噌の中でもい
(2012-04-05 16:55)
ほとんど無いことも想定しないといけない上、文字数も限られています。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔
(2012-04-05 17:02)
する文章は、これまでばうれびでも専門誌でも山ほど書きましたSだと、格闘技を全然知らないか、普段そんなに見ない人が対象です。選手やイベントの予備知識はゼロか
(2012-04-05 17:06)

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