紙吹雪と血飛沫(ちしぶき)[井原芳徳]

 2007年、最初の大会取材は全日本キックの1月4日の後楽園大会だった。
 
 会場に着く。カメラの入った荷物をリングサイドの撮影場所に運ぶ。背もたれの無い不格好な木のイスに腰をかけると、もう若い選手たちの前座の試合は始まってる。今年1年もまたこの場所で、いくつもの喜びと悲しみの絶頂の両極端の瞬間を間近で眺め、このカメラにおさめることになる。
 
 その両極端の典型のような試合が、この日のメインで繰り広げられた。勝者の山内裕太郎選手は、ハイキックで最初のダウンを奪った後、相手の望月竜介選手の頭を肘で切り裂き、続けざまにパンチを当て、2度目のダウンを奪った。僕の目の前に倒れた望月選手の頭からは、大量の血がボトボトと噴き出し、青いマットに落ちる。立ち上がった望月選手だが、結局パンチの連打で3度目のダウンを奪われKO負けを宣告される。するとリングの頭上からは大量の紙吹雪が落ちて来る。その時の撮ったのがこの写真だった。
 

 
 1年の最初に、この光景が僕の目の前に出現し、カメラにおさめられたこと。それに自分にとって良い事なのか悪い事なのかわからないが、何かが僕の心に突き刺さったようで、時々魚の小骨のようにチクチクと痛む。



2007-01-24 22:17 この記事だけ表示   |  コメント 4

コメント

、自分でもこれまで思いつきもしなかったようなフレーズでその選手を表現することで、ディレクターさんやデザイナーさんが意外なアイデアやデザインを返してきたりと、ジャムセッションのような化学反応が起こる楽しさもあります。シンガーソングライターがアイドルに詩や
(2012-04-05 16:29)
。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔でいてインパクトの残る形で紹介しないといけないので、脳味噌の中でもい
(2012-04-05 16:34)
する文章は、これまでばうれびでも専門誌でも山ほど書きましたSだと、格闘技を全然知らないか、普段そんなに見ない人が対象です。選手やイベントの予備知識はゼロか
(2012-04-05 16:40)
ほとんど無いことも想定しないといけない上、文字数も限られています。「この選手の何が凄い?何が個性?」ということを、簡潔
(2012-04-05 16:47)

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