宍戸大樹×K-1 MAX[本庄功志]


 僕が宍戸大樹選手を初めて知ったのは正確にはわからない。キックにあまり詳しくない僕は“SBのエース”“K-1 MAXに出ていない最後の大物”、このような言葉がマスコミの情報から流れ、自分も知らぬ間に情報を得ていたという感じだった。
 宍戸選手がようやくK-1 MAXに出るという情報を見たとき、僕は何も知らないのに「やっと出てきたか。まったく頑固なんだからー」と思った(いろいろ雑誌のインタビューなどを読み、僕は宍戸選手の事を頑固者だと思っていました)。ブアカーオと対戦すると決まって「この人なら勝ってくれるんじゃないか」と確信的な期待を不思議と持ったもんだ。

 宍戸選手を初めて生で見たのは、そのK-1初戦の前日の計量の時でした。彼は計量に遅れそうにも関わらず、一人のファンに丁寧にサインを書いてた。書いた後は急いで会場にダッシュ! その光景をたまたま目撃してしまった僕は「なんていい人なんだ」と思い、“頑固者”という先入観はどこかに消えてしまった。
 その後、井原さんが宍戸選手と話しているのを一緒に横で聞いていて、僕は最後に「がんばってください」と一言言った。僕と面識が無いにも関わらず、宍戸選手は丁寧にお辞儀を返してくれた。人柄の良さから入り、僕は宍戸選手の試合を楽しみに当日を迎えることに。
 
 結果はご存知の通り、15秒というワンパンチでKO負けだった。その時、僕は会場のインタビューブースにおり、ファリッド・キダー選手のインタビュー中だったのだが、宍戸選手が倒れた瞬間、記者がみな横のモニターに釘付けになり、驚きのような哀しい声が漏れた。僕は正直驚きが強く、開いた口が塞がらないとはこういうことかと勝手な初体験をしてしまった。

 1時間ぐらい経って宍戸選手がインタビュースペースにやってきたのだが、気のせいか目の周りが赤く、涙目になっているような感じがした。悔しさ、自分の不甲斐なさのようなものをインタビュー中はずっと押し殺しているような印象を受け、なんともやるせない気持ちになった。
 「このリングを目指しているわけではないですが、オファーがあればいつでも行けるような準備をしておきます」
 この言葉を聞いたとき、宍戸選手はすでにファンになっていた僕に一粒の希望を持たせてくれた。もう出ないのではないかと勝手に一抹の不安を抱いていたから。
 
 応援したい選手がいると、より格闘技をおもしろく観ることができる。僕はそれが格闘技を楽しむコツなんだと、迷惑だが勝手に提唱したい。僕はまた一つ楽しみが増え、とても嬉しい。
 宍戸大樹とK-1 MAXが交わり動き出したストーリーを、僕はずっと見続けて行きたいと思う。

2006-09-13 12:56 この記事だけ表示
 
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